(※写真の掲載許可は得ています)
昭和30年、日本の漁のやり方を変えようと立ち上がった18人の漁師と整備士達。船の大きさは18人が乗るような大きさではなかったそうですが、決死隊のようなもので生きて帰れない覚悟のもと南房総から四国に出港する時の記念写真。
船長のご子息(70歳)から1枚のA4普通紙のコピーを渡され、「もうこれしか残ってないんだけど、この船の設計図や見積書などの資料と共に後世に残したい」との相談を受けました。日本の未来を考えて、当時の漁の常識を命懸けで越えようとする男達の写真。
ただの普通コピー紙で印刷ノイズも変な横線も入っている。基本的に複製は、原版より劣化するためやってみなければ分かりません。PLATINUM PRINTは名前の通り、貴金属のプラチナを使うので費用もA4デジタルネガを作成、印画紙も手作り、テストプリントもするので約7万円/1枚とそれなりにかかります。
それをご理解いただいた上でも依頼してくださった事、また利己的ではなく誰かの未来のために命懸けで生き抜いた先人の写真は、敬意を持って大切に扱わなければいけませんので、引き受けさせていただきました。
(この写真の救いは、色あせていない事です。日焼けなどがひどくて色抜けしてしまっていたりすると私の手には負えないので、普通に復元プリントしてくれる業者に依頼した方がいいです。費用的にももっと安いですし。)
実はこの写真の復元物は納品済みで、綺麗に仕上がりました。敬意を込めて今回は特別に額装をプレゼントさせていただき、それも喜んでいただけて良かったです。
日本史に出てくる人達だけでなく、懸命な思いと行動をとった人達により、戦後日本は発展できたのですね。合掌。
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